中学校、高等学校における技術家庭科の指導要領の変化により、ドライバーやかなづちを使えない大人が増えている、というのは本当なのでしょうか?学校の変化というより、実は、生活、身の回りの環境変化のような気もします。
写真は、大学3年生の機械工学科実習授業のクライマックス。自分達の設計・製造したスターリングエンジンの性能を測定している授業風景です。

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設計に使われたのは、SOLIDWORKS (3次元CAD)。オペレーション習得のために割かれる授業時間は、わずか3コマ。その後、図面を作り、実際に大学の工作室にある工作機械を使って製造し、組立てて最後のレポート提出まで、約20時間程度の工程で構成されています。

19世紀初頭に若干26歳の青年が発明した技術が現代にまで引き継がれ、さらに発展した技術を探求するという、エンジニア育成には格好の題材であり、エンジニア魂を持つ人であれば年代を問わず体験してみたいカリキュラムと言っても過言ではないかもしれません。さらに、人にやさしく安全でエコロジーな「熱空気エンジン」は、これからもっと見直されていくべき「温故知新」の技術でしょう。  さすがに、PC、マウスに慣れている世代の優秀な学生さん達なので、たった3コマの学習で図面がつくれる程度のオペレーションは簡単に覚えてしまうそうです。2次元とか、3次元とか言っているほうがおかしいと思ってしまうほど、ハードルは低い。

そこで、この技術を体験している学生さんに、「ここで学んだ技術は将来に役立ちそうですか?」と質問してみると、残念ながら明確な返事は返ってきませんでした。学生さん達の姿を嘆き悲しんでいるのではありません。将来に求めているものが各々違うのでしょうから、質問自体が漠然としていたのかもしれません。意図するところは、設計したり、製造したり、という技術に何か共感することはありましたか?というものだったのですが、もしかして、与えられた課題を要領よくこなしたに過ぎなかったのでしょうか。。。

一言で「ゆとり世代」の人達と言ってしまえばそれまでですが、端末をこよなく愛する彼らにとっての「CAD」は、もう「ゲーム」そのもので、使うことに対しては全く違和感がないのだと思います。一方、少なからず世の中に影響を与えてきた「昭和世代」の皆さんは、「もの」を、実際に見て、触れて、実感した上で次なる「もの」を生み出そうとしてきた経験があります。中心線1本を引くにも細心の注意を払い、まさに、線を「描く(えがく)」感覚でCADと向き合っているので、こんな図面を見たら、空いた口がふさがらないのかも。

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でも、見方をかえれば、いまどきの学生さんは、先生からの守らなければならないルールを教授さえされれば、この図面で「もの」を作ることができる素養を持っているとも言えます。捨てたもんじゃない。「設計はしてないよね」という声も聞こえてきそうですね。しかし、この先の日本のものづくりを背負っていくのは、間違いなくこの「ゆとり世代」の若者なのです。この学生さん達の目に、今の日本のものづくりは、どのように映っているのかを考える時、「製造力」に支えられてきたものづくりが彼らにどのような影響を与えられたのだろう、「製造業」は魅力ある仕事として受け入れられているのだろうか、と憂いてしまうのは、やっぱり年をとった証拠でしょうか。

SOLIDWORKSは、大学、高専といった教育現場でも、日本国内19万ライセンスと3次元CADでは一番多く使われています。他にも、明日のものづくりを担う学生さんを支援するツールも用意していますので、SOLIDWORKSウェブサイトの教育ページもぜひご覧ください。

大澤 美保

大澤 美保

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 ユーザーエクスペリエンス シニアマネジャー


Categories: SOLIDWORKS Education, SOLIDWORKS JAPAN

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