流体騒音
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1 year ago

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憎きコロナではあるが、コロナのお陰で静かな環境で仕事ができる機会が増えたのは事実。これがまた騒音に敏感になるという生活習慣の恐ろしさを知ることにもなった。出社すれば以前は気にならなかった人の声が雑音になり、自宅では、パソコンのファンの音、エアコンの送風音が、気になる雑音である。「オフィスでは、大きな声で笑わない」などという、ハッピー社員には理解しがたい標語が張られたという知り合いの企業の話を聞いたこともあったが、今となっては、「静かな環境」が全ての社員に平等であるべきなのか、と考えさせられもする。雑音など気にならないぐらい集中して仕事をすれば良い、とお叱りを受ける話でもある。

 

空気の流れから出る音は、流体騒音と呼ばれる。スピーカーから音が出るのは、スピーカー表面を振動させることによってその周りの空気に振動を伝えるという現象。空気の流れには様々なカタチがあり、常に変形していて、このカタチが変形すると周りの空気が加速または減速され、空気の振動が変化し(乱れ)、流体騒音になるわけである。スイッチをつけたばかりの風量が大きい時の音、温度が安定し風量が一定してきた時の音で送風音が異なるエアコンの例は、誰もが体験する流体騒音の一例である。前述のように音が出るということは空気が加振される力が問題であり、音の大きさは流体力で変化する。これを計算式に当てはめると、流体力が2倍になれば、音の大きさは2倍。これには力の変動の速さも考慮する必要があるから、つまり、流速が2倍になっただけで、音は、6乗倍にも大きくなる。2の6乗=64倍(約18db)にもなってしまうということを念頭におかなければならないのである。この騒音を低減する方法は、大きく2つ。1つは、音源そのものをなんとかする方法で、もう1つは、出た音をなんとかする方法。製品の小型化などによるこの流体騒音の低減に、多くの設計者が日々取り組んでいるのが「音源」の騒音低減であり、設計形状の最適化である。製品の発熱量低減のために取り付けるファンの流体騒音は、誰もが知るところではあるが、製品を作る側からすれば、ファンは、自社製品であることは少なく、購入した部品が自社製品にとって最適であるかどうかは取り付けてみないとわからない、という状況のハザマに立つことも多かろう。

 

上述のパソコンやエアコンは、市場からの低騒音化ニーズの高い製品であると言える。企業側も騒音に関しては敏感で、低騒音技術に力を注いできたに違いない。そんな中、昔からかなりの音を鳴り響かせているのに、「音」に関しては進化が見られない家電「ヘアドライヤー」がある。ジメジメ季節の洗濯物の部屋干しが嫌な匂いを作り出すように、頭皮も濡れたままの状態を放置すると匂いの原因を作るらしい。女性だけが消費者層であった市場も変化し、今や老若男女問わず需要がある。価格も様々で、何を基準に購入するのが正しいのかは、嗜好の問題のようである。掃除機なみのコンパクトさで持ち運べ、アタッチメントを変えるだけで、ヘアドライヤーか、はたまた部屋干し乾燥機?布団乾燥機?と、乾かす機能が全部詰まった一体化家電は誕生しないのだろうか。また、簡単そうに考えるところが素人なのか。

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