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社会人が、「キャッチボール」と言えば、「言葉のキャッチボール」など、コミュニケーションに関する会話(ボール)のやりとりに例えられて使われることが多い。が、ここでは、物理的にボールとグローブを使う「キャッチボール」の話をしてみたい。近年「キャッチボール」の不得意な子供が増えている。昔は、テレビのスイッチを入れて目に入ってくるスポーツと言えば、野球と相撲。外で遊ぶ小学生の大半は、野球をしていた。野球選手になろうと思ってキャッチボールをしていた小学生はそう多くないと思う。みんながみんな野球をやっていたから、キャッチボールぐらいできないとみんなと遊べなかった、というのが本当のところ。親も同じような環境で育ってきたから、プロ選手ではないが、それなりにグローブの使い方、ボールの投げ方を子供に教えることができた。が、現代では、キャッチボールをしたことの無い保護者が多く、子供に投げ方や、グローブで捕球する方法を教えられないという状況らしい。

 

人間は、器官同士が「調整」して体の動きを作っているのだそうだ。一つの目的の動作に対して、「脳」が全てを考えるのではなく体全体が協応し合うことで運動が成り立つらしい。この調整能力は、さらに、その下位の複数の能力で成り立つ。下位の能力には、「バランス」「定位」「リズム」「結合」など、人間が日常の動作をする上で欠かせない基本的な能力が含まれている。赤ちゃんが、寝がえりをうてるようになり、ハイハイができて、立てるようになるのに、ほぼ1年しかかからない。神経(脳への電気信号の通路)と期間同士の「調整能力」は、10代半ばには完全に発達を終了してしまうのだそうだ。人間、15歳も過ぎれば、そこから先は、神経の発達のさせようがないわけだから、20歳過ぎてキャッチボールができない人は、残念ながら一生涯、キャッチボールは不得意のままで終わる、ということか。逆に、ボールを投げることを特別に教えてもらった記憶は無く、なんとなく投げることができた、という人もいるわけだから、努力を怠らなければ、不得意を得意に変えることはできると信じたい。

 

「この仕事は君にしかできない。是非、やり抜いて欲しい」(刺激を与えられる)と、上司に言われてイヤと言うエンジニアは少ないと推測する。さらに「この仕事を任せて良かった。次も頼むよ」(さらなる刺激)と言われると、これまでに無かった心(脳)の変化が表れ、自発的な行動を誘発する。人間は、パブロフ条件やオペラント条件、または心理や環境的要因によって大きく左右される生き物である。小さな子供が、何でも「自分でやりたい」というのは人間のもつ「道具学習」という本能であり、自分が新しい道具を使って学習したことによって「脳」が喜ぶのだそうだ。キャッチボールという道具と神経を結びつける「調整能力」を発達させることができないのなら、せめて、道具を使って「脳」を刺激し続けたい。過去の成功例にしがみついていてはイノベーションは起こせない。「思考の俊敏性」を叫ぶ多国籍テクノロジー企業のCEOの顔が目に浮かぶ。

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